【システム手帳】可動式ペンホルダー

以前から作ってみたいと思っていた可動式ペンホルダー。初製作なので試作品を作ってみました。前作と同じミニ6のペンホルダー部分の片方を本体内に収納するかたちで可動式としています。

製作に使った革は前回と同じアリゾナのオレンジ、内装はベルーガの焦茶色です。オレンジと焦茶の組み合わせはいい雰囲気になります。生成りの糸を使い表裏両面からステッチを目立たせるのが好きです。

今回のミニ6の仕様

胴版のサイズやバインダー金具の内径20mmは前作同様です。ミニ6サイズで内径20mmは少し大きい気もします。13mmの金具もあるらしいのでいずれ使ってみたいです。ただYOUTUBEなどでヘビーユーザーの手帳を見るとパンパンに膨らんでいて厚みがすごいのでどうしたものか。やはり小さくてもリフィルがたくさん積めた方がいいのでしょうか?

前作と同様に左側にマチ付きのポケットを製作しました。前作は左右のマチと胴がひと続きで折り曲げるかたちで作りました。そのためフォルムにシャープさがなくて嫌だったので今回は別裁ちのマチを縫い合わせる方法にしました。ピシっと角が出てかっこよくなったと思います。次回はマチ付きポケットを2段にしたいと思います。

右のポケットには可動式のペンホルダーを取り付けました。白いコの字型のステッチはペンホルダーの入り込み過ぎ防止を考えて付けたのですが、今思うとそもそも胴版に縫い付けられているので全て入り込むことはないので必要なかったと思います。次回はステッチなしでスマートに決めます。中で広がっているのである程度引っ張るとそこで止まりそれ以上引き出すことはできません。

ペンホルダーの可動部分は固定されていないのでグラグラです。ペンを差さない時は最小になり、ペンを差すことによって必要なサイズまで引き出される。ペンを抜くと再び入り込んで小さくなる、そんなかたちをあらかじめペンホルダーに作ることでスマートに実現できそうです。

可動式ペンホルダーのメリットのひとつにリフィルとの干渉が避けられる点があります。手帳を開いた状態でリフィルとペンホルダーに距離があっても、左から閉じた場合には少しづつリフィルがペンホルダー側に寄って行き完全に閉じる頃には当たってしまいます。固定のペンホルダーの場合は革の厚みに引っ掛かりリフィルが曲がったり折れたりすることがありますが、ポケット内に入り込んでいるペンホルダーの場合は引っ掛かりがないので折れ曲がったりしません。また、固定式よりも外側に付けることができるのでリフィルと距離がとれます。

今回も柔らかく平らに開くように作りました。表胴版に使用しているアリゾナが非常にしなやかなため、硬いヌメを裏打ちしてあります。前回裏打ちのヌメに染色が入りにくくてコバに現れていたので外周を斜め漉きして落としてあります。おそらくブライドルのように蝋がたっぷり染み込んだ革なのだと思います。非常に繊維の詰まったコシのある革なので気に入って裏打ちなどに使っています。

ストラップループの位置を少し外周から離して内側に移動してあります。こうするとストラップとループをキツキツにしなくてもループとコバの間の胴版がしなることによって開きにくくなります。しっかり閉じてしっかり開く、ストラップ付きシステム手帳の大事なポイントです。

以上試作品のお披露目でした。