【システム手帳】ミニ6新バージョン
ミニ6の新バージョンとして13mmリング使用を製作しました。今まで20mmリングしか製作しなかったのは「大は小を兼ねる」的な考えからです。単にたくさんリフィルを搭載できた方が良いと思っていたのです。
しかし考えてみればコンパクトなミニ6ですから厚みもスマートであって欲しいと考えるのは当然です。鞄に入れて持ち運ぶのに小さく軽くあって欲しい。コンパクトなボディにパンパンにリフィルを挟みたい派、コンパクトなボディだから厚みも控えて小さく収めたい派、両方あると思います。
バインダー金具の交換のみで対応しようと思うと色々と不都合が出てきます。20mmリングと13mmリングの金具の違いは以外にも大きいのです。
20mmリングから13㎜リングへ
20mmリングの設計のままで13㎜リングを載せた場合に考えられる不具合は以下のようなものです。
- 胴版の折れ曲がる位置が適切でなくなる
- リング当て革の幅が広すぎる
- 本体を閉じた時の幅が広くなる
- リフィルとコバ(端)までの距離が変わる
順番に解説します。
胴版の折れ曲がる位置が適切でなくなる
ペラペラの柔らかい革で作られていればリング径に関わらず柔軟に曲がるので問題にはならないかもしれません。ある程度の厚み、硬さのある革で作った場合は折れ曲がる位置を決めて曲がりやすい工夫をしなければなりません。
表と裏の胴版をベタ貼りしている場合は柔らかい革だとしてもそれなりの硬さになって曲がりにくくなります。無理に曲げて銀面にシワが寄るような加工は避けたいところです。
20mmリングの設計のまま13mmリングを載せると閉じた時にリングと裏胴版の間にスキマが大きくできてしまい、せっかくスマートにしようと13mmリングにしても本体は20mmリングの厚みで閉じられることになります。リング当ての革もリングに触れず意味のないものになります。
リング当て革が大きすぎる
上記ようにリング当ての革とリングが触れない状態にはあるものの、20mmリング用の当て革は13mmリングには大きすぎることは容易に想像できます。閉じた手帳を側面から覗き込んでリングの直径を超えるような当て革はバランスが悪いと思っています。
本体を閉じた時の幅が広くなる
開いた時の胴版の横幅が同じであればバインダー金具のリング径が大きいほど閉じた時の幅は狭くなり、リング径が小さいほど閉じた時の幅は広くなります。リング径が大きいと厚みが増すので幅が狭くなり、リング径が小さいと厚みが小さくなるのでその分幅が広がるのです。
試作してみたところ13mmリングにすると20mmリングよりも閉じた時の幅は3mmほど広がります。閉じた時の幅が多少広くなっても大きな問題にはなりません。閉じ幅が変わるので統一感が無くなる程度のことです。
閉じ幅の統一感を出すために13mmリング仕様は胴版幅を6ミリ小さく設計してます。これにより閉じた時の幅がほぼ20mmリングのものと同じになります。
リフィルとコバ(端)までの距離が変わる
さらにリングが小さくなることでリフィルとコバ(端)との距離が離れます。
リフィルとコバ(端)までの距離が広くなり過ぎると間延びして見えるかもしれませんが、ペンホルダーとリフィルの干渉が気になる場合は好都合かもしれません。
秀革堂で現在製作している可動式ペンホルダーはリフィルと干渉しないわけではないのですが、端がポケット内部に入り込んでいて「引っ掛からないので気にならない」という仕様です。
ミニ6新バージョンの仕様
バインダー金具のベースプレートを固定している部分の幅を狭く設計し直し、胴版の折れ曲がる位置を13mmリングに合わせて調整しました。縫い留める位置も中央寄りに変えてスマートに閉じられるように。
リング当ての部分もリングの径に合わせて小さくしてあります。リングが小さくなった分リフィルが中央寄りになります。胴版も少し小さくしてあるのでバランスの良い距離感に仕上がっています。
ペンホルダーとリフィルの位置関係も良好で20mmリング仕様よりも干渉が抑えられています。
ストラップ部分に裏胴版の色(革)を使ったバイカラーバージョンも今後増やす予定です。