鞄の玉ぶち(パイピング)について 

みなさんは玉縁(たまぶち)ってご存じでしょうか?パイピングとも呼ばれます。

主に内縫いの鞄の縫い返し部分やコーナー部分(縁)に使われるパーツです。

意匠性、角部分の保護、内縫いの縫い目や糸を隠す、などの目的で付けられます。

擦り切れて中の芯が飛びだすのがイヤなので芯材なしの革のみで作るのが良い玉縁の条件かと思います。

一般的な玉縁は

量産品の鞄のほとんどは樹脂製の細いパイプに薄い革を巻いて作られています。

玉縁用のパイプが売られていて、革で巻いて使うのが一般的です。

なかには紐を芯に使ったり、芯入りのパイピングテープとして売っているものもあるそうです。

樹脂製のパイプは強度もありそうだし軽く作れていいような気もしますが、薄く漉かれた革の擦り切れがおきやすくなります。

1度擦り切れると見た目が大変に悪くなるうえ、修理もなかなか大変です。

そのため秀革堂では革のみで作った玉縁を使っています。これなら簡単に擦り切れる事はなくなります。

ハンドメイドの鞄製作をしている工房ではこの作り方をしていることが多いと思います。

芯を入れない作り方

中央部分を残して両側を薄く漉きます。この加減は作り手の好みだと思います。

ボンドを塗って貼り合わせヤットコ等で形を整えます。

こんな感じに芯なしの玉縁ができます。

後は内縫いで一緒に縫い付ます。縫い付け面が斜めになるので菱目打ちなどが少し難しくなります。

使用例

作りやすさも大事ですが丈夫な事はもっと大事です。玉縁の交換となれば、内袋をはがし胴版を分解して新しく玉縁を作って縫い付け、かなりの大手術となります。

玉縁は底革などに使う場合は1周してつなぐ必要が出てきます。

つなぎ方についてはいずれコラムに書きたいと思います。

ではまた。